映画｢逃亡地帯｣｜アメリカのムラ社会は日本の職場とソックリ！？集団ヒステリーの恐ろしさ【無料で見る方法も紹介】

｢逃亡地帯｣は、1966年に公開されたアメリカのサスペンス映画です。

アメリカの退廃した田舎町の住民が暴走していく姿を通して、集団心理の恐ろしさを描いた作品となっています。

そしてこの集団心理の恐ろしさは、日本の職場にもよくあてはまるのです。

この記事では、そんな本作の見どころと、無料で見る方法も紹介していきます。

作品情報

概要

本作は、テキサスの田舎町タールの住民たちが、脱獄囚のババーが舞い戻ってくるという噂を聞きつけ、集団ヒステリーに陥り狂気の行動を取るようになっていく様子を描いた社会派サスペンスです。

｢奇跡の人｣｢俺たちに明日はない｣のアーサー・ペンが監督を務め、人間の正義の暴走と集団心理による恐怖を鋭く描いています。

マーロン・ブランド、ロバート・レッドフォード、ジェーン・フォンダといった豪華キャストが共演していることも見逃せません。

スタッフ・キャスト

あらすじ

アメリカ・テキサス州の田舎町タール。

そこでは石油成金のバル・ロジャーズが権力を握っていました。

住民たちはどこか鬱屈した思いを抱え、そのことを発散するかのように週末ごとの派手なパーティーに興じていました。

そんなある日、刑務所に服役中のババ―が脱走し、生まれ育ったこの町に帰って来るという知らせが届きます。

しかも、ババ―は途中で殺人を犯したというのです。

その知らせを聞いた住民たちは、ババーを追い詰めることに熱中しはじめます。

見どころ

勝手に作られる人間像

本作の舞台は、テキサス州のタールという田舎町です。

住民同士はみんな知り合いで、噂がすぐに広まっていくアメリカ版のムラ社会です。

このムラ社会が、日本の職場とソックリなのです。

そのことを感じるのが、脱獄者ババ―の悪い噂が広まっていく展開です。

ババ―は正直そこまで悪い人間ではないのですが、町の住民が噂をするうちに話に尾ヒレが付いて、ババ―の人物像が独り歩きし、いつの間にか凶悪な犯罪者に仕立て上げられるのです。

日本の職場でも、人事異動の際に似たようなことは起こります。

新しい人が職場に加わるとなると、すぐに始まるのがその人の噂話です。

辞令が発表された日の社員食堂では、｢あの人〇〇らしいよ｣と噂で持ち切りになります。

そこにベテラン社員がいれば、新しく入ってくる人のことを知っていたりします。

新しく入ってくる人が｢デキない人｣だということが分かれば、噂が噂を呼んで、その人の人物像がどんどんと出来上がっていきます。

その人本来の実力とかけ離れた、｢デキない人｣というレッテルが貼られてしまうのです。

これでは、新しく入ってくる人もとてもやりにくくなりますよね。

軽い集団ヒステリーとも言えますね。

鬱屈した思いが暴走を呼ぶ

さらに、鬱屈した思いを持つ人間が、集団ヒステリーに流されるという展開も、日本の職場と共通しています。

タールの町は、石油成金のバル・ロジャースが牛耳っています。

この町はロジャースにより潤っているようなもので、住民たちも彼には相当気を使っています。

その鬱屈した思いを発散するように、住民たちは毎週末に浮かれ騒ぎ夫婦交換パーティーに興じるなど、享楽的で廃れた生活を送っています。

パーティーで楽しそうにしていた住民たちも、脱獄者ババ―が戻ってくると聞くと、集団ヒステリーを起こして、ババ―をリンチにかけようとしていきます。

｢こいつは攻撃していい｣というターゲットに対しては、どこまでも残虐になれるのです。

これって、日本の職場ともソックリですよね。

私が前にいた職場は、飲み会がとても激しく、2次会、3次会まであり、カラオケやキャバクラで大盛り上がりしていました。

そこでノリノリで楽しそうにしていた上司が、翌朝には部下を怒鳴りつけるというパワハラ行為をしているのです。

その上司は｢俺の学歴じゃここまでしか出世できない｣と愚痴をこぼしている人で、一方部下の方は周囲から｢デキない人｣というレッテルを貼られていました。

その鬱屈した思いを発散するために、攻撃しやすい部下を攻撃したのでしょう。

本作では、マーロン・ブランド演じる主人公のカルダ―保安官が、住民たちのリンチをやめさせ、ババーに法の裁きを受けさせようと奔走します。

ムラ社会のルールではなく、あくまで法のルールで対処しようとする冷静な姿勢が素晴らしいのです。

サラリーマンという組織人であっても、カルダ―保安官のように集団ヒステリーに流されない人間でありたいものです。

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まとめ

本作は、集団心理の恐ろしさをじっくりと描いています。

ムラ社会的な環境は洋の東西を問わずに存在し、集団ヒステリーに陥った人々は暴走しやすくなることが分かります。

日本のサラリーマンにとっても、他人事とは思えません。

本作を見ることで、集団の中でも冷静さを保つ心構えを作りたいですね。

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