映画「プラダを着た悪魔」|ビジネスは、「記憶力のオリンピック」ではありません。

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皆さんの職場にも、記憶力でマウントを取ってくる上司っていませんか?

確かに記憶力も大切ですが、そもそも人間は忘れる生き物です。

いざという時に思い出せないということもあります。

大切なのは、思い出せない時のために準備を徹底することなんです。

本作には、悪魔と恐れられているやり手の編集長、ミランダ(メリル・ストリープ)が出てきます。

そのミランダの仕事術を見ていると、記憶力に頼り切ることよりも、準備をすることの大切さが分かってきます。

この記事では、本作における描写と共に、政治家や企業の取り組みも交えて、そのことを考察していきます。

(「プラダを着た悪魔」を無料で見る方法はこちらを参照してください。)

目次

名前を呼ぶことの重要性

ビジネスパーソンにとって、人の名前を呼ぶのはとても大切なことです。

本作でも、ファッション誌「ランウェイ」主催のパーティーで、編集長のミランダがゲストの名前を呼んでコミュニケーションを取っているシーンがあります。

自分の名前は、その人にとって最も好きな言葉であり、しっかりと名前を呼んでくれた人には親近感を抱くのです。

自己啓発の大家、D・カーネギーもこう言っています。

「名前は、当人にとって、もっとも快い、もっともたいせつなひびきを持つ言葉であることを忘れない。」

(D・カーネギー「人を動かす」)

名前を呼ぶということは、相手との関係性を築き、ビジネスを成功に導くためには必要不可欠なものなのです。

やり手編集長のミランダも、その基本を大切にしていたのです。

名前を覚えておくための工夫

相手の名前を呼ぶといっても、他人の名前を覚えておく能力には限界があります。

そのことを補うための工夫を、本作の描写や、政治家、企業の取り組みから見ていきます。

鬼編集長ミランダの方法

本作では、パーティーに出席したゲストの人数があまりにも多すぎて、ミランダがゲストの名前を思い出せなくなる場面が出てきます。

そんな時にはどうすればいいのか、それはズバリ、カンニングです。

ミランダはパーティーに先立ち、パーティーの全ゲストの顔写真と名前が記載してあるファイルを準備し、それをアシスタントの2人に手渡して全ゲストの顔と名前を覚えさせています。

そして迎えたパーティーの当日は、ミランダは隣にアシスタントの2人を立たせて、必要に応じてゲストの名前をこっそりと耳打ちさせるようにしていたのです。

こうしておけば、ミランダがゲストの名前を思い出せない場合でも、アシスタントからこっそり教えてもらえるので、そのゲストの名前をしっかりと呼ぶことができ、相手を不快にさせることなくスムーズなコミュニケーションが行えます。

その場にはミランダとアシスタントの2人を合わせた合計3人がいるので、誰かしらはゲストの名前を覚えているでしょう。

要は、記憶力という曖昧な要素に頼らず、事前に準備をしておくことが大切なのです。

田中元総理の「調査表」

稀代の政治家である田中角栄元総理も、人の名前をしっかりと呼んでコミュニケーションを執ることで人間関係を築いていましたが、その裏には「調査表」の存在がありました。

本省の課長以上の役人の氏名・顔写真・経歴といったプロフィールから、政治家で親しいのは誰かなどの重要事項まで、それらを調べ上げた調査表を作り、その内容を頭に入れておくことで人間関係を築くのに活用していたのです。

田中元総理は抜群の記憶力を持っていましたが、こうした事前の準備も怠らなかったのです。

「カオナビ」の取り組み

相手の名前を覚えるための事前準備として、田中元総理は調査表を用いていましたが、現代ではその役割をITが担っています。

「カオナビ」という、従業員の顔写真が並んだインターフェースが特徴的なタレントマネジメントシステムがあります。

カオナビを開くと、相手の顔やプロフィールが一目瞭然に分かるようになっていて、文字情報だけが並ぶシステムよりもイメージがつきやすく、記憶がしやすくなっています。

顔写真があることで、「この人とこんな話をした」と、顔とエピソードが紐付けられ、記憶の定着を促進する効果があるのです。

カオナビを導入した某アパレルメーカーでは、マネージャーが各地の店舗を回る際に、事前に店舗のスタッフの顔と名前を把握することで、お互いの関係を強化することができました。

カオナビは利用企業数が2,500社以上あり、そこには有名な大手企業も名を連ねています。

このことは、数多くのビジネスパーソンが、人の名前を覚えることと、そのための事前準備をしておくことを重視していることの証でもあります。

まとめ:記憶力に頼るより準備を徹底しよう

仕事とは、記憶力のオリンピックではありません。

純粋な記憶力を競い合うスポーツではないのです。

自分の記憶力に自信が持てないのなら、カンニングをしてもいいのです。

つまり、事前に準備をしておくということです。

本作を見れば、ミランダのように、仕事がバリバリできるやり手の編集長でも、その基本を重視していることが分かります。

仕事を円滑に進めるには、個人の超人的な能力に頼るのではなく、事前に準備をしておくことの方がよっぽど大切なのです。

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