大ヒットしたTVドラマ「半沢直樹」は、権力者に立ち向かう人間の生き様を描いた、現代版の時代劇としての魅力があります。
腐敗した組織や上層部からの圧力に屈することなく自分の信念を貫く人々の戦いは、視聴者の絶大な支持を集めました。
そうした人々の姿は、組織の中で働く日本のサラリーマンにも大きな勇気を与えてくれるのです。
そこで今回は、巨大な権力に戦いを挑む人々を描いた作品を、邦画の中から5つピックアップしていきたいと思います。
- 「空飛ぶタイヤ」
- 「不撓不屈」
- 「七つの会議」
- 「集団左遷」
- 「のぼうの城」
巨大権力に戦いを挑む人々を描いた映画 5選(邦画編)
「空飛ぶタイヤ」
三菱自動車工業のリコール隠し事件と、それに伴う大型トラックの脱輪事故を題材にした池井戸潤さんの小説「空飛ぶタイヤ」を映画化した作品です。
母子が死傷した脱輪事故の責任を押し付けられた赤松運送の2代目社長が、自社の無罪を証明すべく財閥系の大企業であるホープ自動車に戦いを挑むというストーリーです。
物語の序盤から、弱者は強者に勝てないという無力感・絶望感が漂い、やるせない気持ちにさせられます。
赤松自動車はマスコミのバッシングを受けて顧客が離れ、銀行からも強引に資金の回収を迫られ倒産の危機に陥ります。
一方のホープ自動車は財閥系の組織力があり、莫大な広告料を受取っているマスコミに忖度させて不都合な記事を差し止めることもできるのです。
マスコミの報道で経営が揺らぐ中小企業が、マスコミの報道をも操れる大企業のリコール隠しを暴いていくのは、非常に困難なことが分かってきます。
そんな状況の中でも、それぞれの立場で小さな勇気をふるう人々が現れてきます。
巨大な権力を前に、時には心が折れそうになっても自分の信念を貫く人々の姿はとても美しく、我々も勇気を与えられます。
組織で働く人にも、「せめて自分の仕事には誠実でありたい」と思わせてくれる作品です。
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「不撓不屈」
「金融腐蝕列島・呪縛」の原作者、高杉良さんの小説「不撓不屈」を映画化した社会派ヒューマンドラマです。
国税局の弾圧に真正面から立ち向かった税理士、飯塚毅氏の実話を描いています。
飯塚氏は、中小企業を支援するための合法的な節税対策として、別段賞与の支給を指導してきました。
ところが、このことが国税局から「脱税指導ではないか」と目を付けられることになります。
国税局は飯塚氏に対して徹底的に圧力をかけ、嫌がらせのような税務調査を繰り返してきます。
その調査の手は顧客企業にまで及び、飯塚氏から離反するようにも仕向け、飯塚氏は顧客の大半を失ってしまうことになります。
さらに検察庁までが動き出し、飯塚氏の事務所職員4名が逮捕されてしまいます。
信じがたい話ですが、これが実話だったというのが驚きですね。
巨大権力に歯向かったらどうなるか、その恐ろしさが伝わってきます。
だからこそ、その権力にひるまずに戦い抜いた飯塚氏の姿勢に胸を打たれるのです。
飯塚氏を支える家族の絆も本当に素晴らしいです。
当時の日本人が持っていた“美しい姿”がいくつも描かれた作品なのです。
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「七つの会議」
池井戸潤さんのクライムノベル「七つの会議」を、テレビドラマ「半沢直樹」「陸王」などの演出を手掛けた福沢克雄さんを監督に迎え、映像化した作品です。
香川照之さん、及川光博さん、片岡愛之助さん、北大路欣也さん等、「半沢直樹」でもお馴染みの俳優たちが勢ぞろいし、ドラマを盛り上げてくれます。
本作は、大手企業ゼノックスの子会社・東京建電の社員たちが、会社の抱える闇に切り込んでくというストーリーとなっています。
主人公のぐうたら社員、八角の謎に迫っていくというミステリー展開もあり、物語により深みを与えています。
利益のため不都合な事実を隠蔽しようとする巨大組織に対し、信念を持った個人が立ち向かうという構図に、観ている方も思わず力が入ります。
「営業成績を上げるためなら何をしてもよいのか」と、仕事のあるべき姿を考えさせてくれる作品となっています。
本作を見終わったら、転職したい気持ちになるかもしれません。
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「集団左遷」
会社に見限られた中年サラリーマンたちが、意地と誇りを賭けて組織に立ち向かっていく姿を描いたヒューマンドラマです。
本作では、バブル崩壊後の不況により大量の不良物件と余剰人員を抱えた太陽不動産が、一つのリストラ策を打ち出します。
「首都圏特販部」という部署を創設し、そこに50人の余剰人員を送り込んで、3か月で15億円の売上を達成しなければ解雇するというものです。
特販部に集められてきたのは、各部署でトラブルを起こしたお荷物社員たちです。
その社員たちが、窮地に立たされたことで自分のやるべきことに目覚めていくという展開が、スポ根ドラマのようで胸が熱くなってくるのです。
本作でリストラ策を提案した副社長・横山を演じるのは、津川雅彦さんです。
絵に描いたようなバブル世代のパワハラ&セクハラ上司を、半沢直樹の先取りのような顔芸を披露し存在感たっぷりに演じています。
仕事を横取りしたり、物件にイタズラをしたり等、特販部の社員たちに数々の姑息な妨害を加え、ドラマを盛り上げるのにこれ以上ない悪役となっています。
この悪役に、リストラ予備軍の中年社員たちがどのような復讐をするのか、その展開が見どころとなっています。
権力に立ち向かう中年社員たちのプライドと意気込みは、我々サラリーマンも大いに勇気づけられますね。
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「のぼうの城」
天下統一を目前に控えた豊臣軍の大攻勢を跳ね返した、「忍城の戦い」の実話を映画化した作品です。
たった500人の軍勢が、2万人の豊臣軍を迎え撃った戦いを、圧倒的なスケールで描いた戦国活劇となっています。
忍城を守る総大将・成田長親は運動が苦手で不器用だけど、どこか憎めず、領民からは“でくのぼう”を揶揄した「のぼう様」の愛称で慕われています。
カリスマ性を発揮して引っ張っていくタイプではないけれど、彼がいることでみんながまとまるという、“和”を作るリーダーなのです。
長親を演じるのは野村萬斎さんであり、飄々としたキャラクターが味わい深く、田楽踊りで敵味方双方の心を掴んでいくシーンもとても見ごたえがあります。
長親は、豊臣軍の侵攻に対し、こう言って戦うことを決意します。
「武ある者が武なき者を足蹴にし、才ある者が才なき者の鼻面をいいように引き回す。これが人の世か。ならばわしはいやじゃ。わしだけはいやじゃ。」
人間としての誇りを守るために立ち上がる男たちの意地と心意気が、最高にカッコよくて胸が熱くなります。
巨大な組織と戦うサラリーマンも、勇気をもらえる作品ですね。
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まとめ
今回の記事では、巨大な権力に戦いを挑む人々を描いた邦画を紹介していきました。
権力に屈せず自分の信念を貫く人々の姿は、いつの時代も人の心を魅了してくれます。
今回紹介した作品を見ることで、明日の仕事の活力にしていきましょう。
- 「空飛ぶタイヤ」
- 「不撓不屈」
- 「七つの会議」
- 「集団左遷」
- 「のぼうの城」
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