集団心理とは、集団の中において起こる特殊な心理状態のことです。
人と人が集まって仕事をしている以上、職場にも集団心理は発生します。
職場の集団心理は、個人が集団へ埋没することを求めたり、個人の理性を失わせ暴走させたりもします。
集団に取り込まれた個人は、人格すら変わってしまうこともあるのです。
そこでこの記事では、集団の中でも冷静さを保つ心構えを作るために、集団心理の恐ろしさを描いた作品を紹介していきます。
- 「ミスト」
- 「逃亡地帯」
- 「マッド・ハウス」
- 「ミッドサマー」
- 「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」
集団心理の恐ろしさを描いた映画 5選
「ミスト」
霧の中から襲ってくるモンスターに囲まれスーパーマーケットに籠城した人々が、集団ヒステリーに陥って暴走していく様子を描いた作品です。
籠城した人々の中に、狂信的なキリスト教信者の中年女性、カーモディという人物がおり、モンスターの襲来を「これは神からの天罰だ」と訴えて人々を煽っていきます。
最初は誰にも相手にされていなかったカーモディですが、怪物が襲ってくるタイミングを偶然的中させたことで「彼女の言う通りになった!」と人々から一目置かれるようになります。
そして、カーモディはだんだんと支持者を集め、人々はカーモディを教祖と仰ぐカルト集団へと変貌していきます。
この状況を冷静に見ていた人物がこう語ります。
「恐怖にさらされると人はどんなことでもする」
「“解決策”を示す人物に見境もなく従ってしまう」
まさにこれこそが、集団ヒステリーの恐ろしさでしょう。
集団ヒステリーを起こした人々の暴走はエスカレートし、特定の人物にこの災いの責任を押し付け、集団リンチを行うまでになっていきます。
本来、モンスターが襲ってくるという現象は、人間の力ではどうしようもないことなのですが、救いを求める人は安易な解決策に飛びつきます。
ある状況を誰かのせいにして、その人を徹底的に叩こうとするのです。
このように本作では、職場にも通じる集団心理の恐ろしさを描いています。
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「逃亡地帯」
テキサスの田舎町タールを舞台に、「脱獄囚のババーが戻ってくる」という噂を聞きつけた住民たちが、集団ヒステリーに陥っていく様子を描いた社会派サスペンスです。
タールの住民同士はみんな知り合いで、噂がすぐに広まっていくアメリカ版のムラ社会です。
住民たちは、どこか鬱屈した思いを発散するように享楽的な生活を送っており、毎週末には夫婦交換パーティーに興じるなど浮かれ騒いでいます。
そんな時に、脱獄者ババ―が戻ってくるという情報が入ってきます。
住民が噂をするうちに、話に尾ヒレが付いてババ―の人物像が独り歩きし、ババ―はいつの間にか凶悪な犯罪者に仕立て上げられていきます。
ババ―は住民たちの攻撃のターゲットになり、ババ―をリンチにかけようと住民たちは暴走していくのです。
このような集団ヒステリーは、日本の職場でも見られます。
その人の人間性などは詳しく分からないけれど、みんながやっているからという理由でその人をイジメのターゲットにすることもあります。
日本もアメリカも、ムラ社会には似たような所があると感じさせてくれます。
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「マッド・ハウス」
本作は、アメリカに実在したカルト教団「シナノン」をモデルにしたと言われる、サイコスリラー映画です。
主人公のサラは、憧れのLA・ハリウッドで新生活を始めるため、とあるマンションへと入居します。
このマンションには、入居者たちが助け合って生きるコミュニティが形成されており、庭では入居者がバーベキューをしていたりと、一見すると「このマンション楽しそう」と感じられます。
ところが、このマンションのコミュニティは、独自の教義を持つカルト集団だったのです。
そこに個人は存在せず、集団の意思があるだけであり、住民たちは監禁や暴行などの残虐行為も平然と行います。
そんなコミュニティのやり方に住民たちは疑問を挟まず、むしろ感謝すらしているのです。
自分を救済してくれたコミュニティのためならば、個人は理性を失い、何でもやるようになっていくのです。
このように、本作では集団に埋没した個人の恐ろしさを描いています。
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「ミッドサマー」
本作は、スウェーデンの閉鎖的な生活を送るコミュニティ、「ホルガ村」を舞台とした土着信仰系のカルトホラー映画です。
このホルガ村で行われる夏至祭にアメリカの大学生グループが招かれ、そこであまりにも衝撃的な体験をしていく様子を描いています。
本作の舞台となっているホルガ村は、キリスト教とは異なる土着の信仰が根付いたカルト的な共同体です。
村ぐるみで料理や食事を行い、村人全員で子育てを行うという、村全体が一つの家族のようになっているのです。
そこに個人の存在は無く、個人は集団に溶け込み集団のために尽くします。
集団を維持するために、生産能力が無くなった高齢者を処分するシステム(姥捨て山のようなもの)があり、そのやり方がとても残虐なため、外部からやってきた人間は強い嫌悪感を抱きます。
恐ろしいのは、それをやっている村人が普通の顔をしていることです。
文明社会の常識では残虐とされる行為も、「集団のため」という大義名分があれば平然と行えるのです。
集団に尽くし集団を維持することが、個人の救済にも繋がってくるからです。
自分を救ってくれる、承認欲求を満たしてくれる集団のためならば、時として個人は理性を失っていくのです。
このように本作では、現実の世界にも通じる集団心理の恐ろしさをじっくりと描いています。
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「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」
大金を得るために集まってきた10人の男女が、密室で心理ゲームを繰り広げるサスペンス映画です。
この心理ゲームは、高額の時給11万2千円という求人広告で参加者を集めています。
参加者を「暗鬼館」という施設に閉じ込め、そこで7日間過ごせば時給で換算した大金が手に入るというルールになっています。
参加者には鍵のかからない個室がひと部屋と、ナイフや銃などどれか1つの凶器がランダムに与えられます。
参加者の間で殺人事件が発生した場合は、多数決により犯人を決めて投獄してもよいというルールになっています。
互いに干渉しなければ参加者全員が大金を得られるはずなのですが、参加者の間に最初の死亡者が出たことで、お互いが疑心暗鬼になっていきます。
みんなで協力して考えればいいのに、根拠もなく犯人を決めつけたり、多数決という安易な方法を取る人が出てきたりします。
そのことが対立を深め、よりいっそうお互いの不安を煽り、人々は修復不可能な精神状態に陥っていきます。
このように、本作でも、とてつもない恐怖を感じた人は安易な解決策にすがりつくということを描いています。
職場にも言えることですが、そのような解決策を講じる人が多くなっていくと、その集団は自滅していくのです。
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まとめ
この記事では、集団心理の恐ろしさを描いた映画を紹介していきました。
これらの作品に共通することは、人は恐怖や不安を感じた時に、集団の意思に取り込まれやすくなるということです。
集団で暴走する人間にならないためにも、強い個人を確立していきたいですね。
- 「ミスト」
- 「逃亡地帯」
- 「マッド・ハウス」
- 「ミッドサマー」
- 「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」
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